猫のトイレ

猫のトイレ

猫のトイレのポイントと
うまくいかないときに考えられる対処法

猫を飼育していると、まず必要になるのがトイレです。初めて猫を飼う人が不安にならず、猫も猫トイレで排泄ができるように、トイレ環境の構築方法、トイレの選び方についてご紹介します。

猫トイレの設置について

猫を迎え入れたらまず、ここが排泄する場所であることを教えてあげましょう。猫は生後1か月くらいで自らトイレの場所を覚えてトイレで排泄するようになります。当院で譲渡する場合は、猫砂を一部お渡しするので、新しいトイレで猫砂に混ぜてあげてください。
そうすることで、においからトイレの場所を理解してくれます。
もし今まで使っていた猫砂がない場合は、1度新しいトイレで猫砂に触れさせるだけで、そこがトイレだと覚えてくれます。

猫トイレで排泄できるように

トイレの場所にも気を配ることが肝心です。猫にとって不快な環境では、トイレをすることを嫌がります。猫が寝ている場所からあまり離れておらず、静かな場所を探して設置してください、例えば、家族の誰かが頻繁に出入りする廊下や玄関では、猫は安心して排泄することができません。また、洗濯機や乾燥機、ドライヤーなどを掃除するときに便利だからと浴室に置くと、その音の大きさに驚いたり、怖がったりすることがあります。だからといって人から見えない場所に設置すると、誰かが排泄した時に判断しづらくなり、掃除が遅れてしまう可能性があります。リビングの一角など、排泄物の観察がしにくい安らぎの場所を確保するよう心がけてください。また、衛生面を考えると、猫が食事をする場所からある程度離れた場所にトイレを設置することが望ましいです。

トイレを失敗する場合の
確認すべきポイント

叱ると逆効果

いけない行動をとっても、決して叱らないでください。
猫は不適切な場所で排泄したことを叱られていると勘違いしてしまうので、絶対に叱ってはいけません。そうすると、飼い主様から見えない場所、隠せる場所で排泄を続けてしまうかもしれません。
ウンチを我慢するのは健康にもよくありませんし、猫が見えにくい場所でウンチをすると、掃除が大変で、期待していたのとは逆効果になってしまいます。

排泄した後は、できるだけ早く取り除いてください。

不適切な場所で排泄した後、その場所に臭いが残っていると、同じ場所で同じ行動を繰り返す可能性があります。ペット用消臭剤を使って完全に消すことをおすすめします。フローリングは掃除が簡単ですが、表面の溝は見落としがちです。カーペットやラグにしてしまった場合も完全に消臭し、可能な限り洗濯してください。同じ場所で排泄を繰り返すようであれば、カーペットやラグを撤去するか、そこにトイレを設置したほうがよいでしょう。そうすると慣れてきます。今あるトイレのほかに、新たにトイレを増設してみるのもよいでしょう。

複数の猫を飼っている場合、トイレの数は猫の数より少なくとも1つ多いことが理想です

他の猫が排泄したトイレでは、自分はしたくないでしょう。複数の猫を飼っている家庭では、“猫の数+1”が最適なトイレの数です。そうすることで、片方のトイレが汚れてしまっても、常に別の選択肢を選ぶことができるようになるのです。かなりの数の猫を飼っている場合は、猫の数に加えて2~3個のトイレを配置したいところです。使用頻度が低く、猫に好かれていないトイレの位置は、もう一度見直してみてください。猫を1匹だけ飼っている場合でも、家を空けるときや夜遅く帰ってきたときのために、トイレを2つ用意しておくとスマートです。猫にとって快適なトイレであれば粗相はほとんどなくなります。

便の回数や排泄後の様子もしっかり観察してあげてください

いろいろな方法を試しても改善されない場合は、病気の可能性があります。できるだけ早く動物病院に相談して下さい。排泄の回数が多いか少ないか、おしっこや排泄の後に苦しそうにしているか、便に出血などの異常がないかなど、猫の状態をしっかり検査することをおすすめします。病気ではなさそうでも、最近何かストレスになるようなことがなかったかどうか、考えてみましょう。

トイレに問題がある可能性もあります

トイレの置く場所

家の隅の暗い所ではなく、猫がくつろぐ部屋の明るい場所に設置しましょう。また、周囲に大きな音のする家電製品など、気が散るものがないか確認しましょう。猫が近所の犬の鳴き声を快く思っていないケースもあります。
多頭飼いで仲の悪い猫がいる場合、近くに他の猫がいること以外の理由でトイレを使わないということもあり得ます。

サイズ

理想的な猫のトイレの長さは、猫自身の体長の約1.5倍です。
もし、猫がトイレの側面に足を乗せて排泄していることに気づいたら、そのトイレは猫にとって小さすぎるため、買い替えなければならないかもしれません。特に、子猫用に購入したトイレを成猫になっても使っている場合は、動物が成長しているため、適切な大きさにはなりません。

深さ

過度に深いと、乗り越えるのが大変になります。特にトイレの使い方を覚えて間もない幼い子猫には、浅いトイレをお勧めします。

清潔さ

猫は驚くほど衛生的です。トイレを長い間放置していたり、汚れていたりすると、使いたがらなくなります。最低1日2回掃除し、時には洗うことも必要です。猫の臭いを完全に消してしまわないように注意しましょう。猫は柑橘系の香りが苦手なので、猫トイレを洗う時は、オレンジなどの柑橘系の香りがする洗剤は使わないようにしましょう。

トイレのタイプ

トイレには、大きく分けて「屋根付きトイレ」「システムトイレ」「箱型トイレ」の3種類があります。屋根付きトイレは、「自由に排泄できない」「臭いがこもる」「怖い」などの理由で嫌がる猫が意外と多いようです。また、「排泄しているところを見られないから」という理由で屋根付きトイレを選ぶ猫もいれば、「プライベートが守られるから」という理由で屋根付きトイレを好む猫もいます。
システムトイレは、引き出しタイプの二重構造になっていて、下の段には専用のシートを敷き上段に専用の猫砂を置きます。下段にシートを敷かずに使用すれば、尿がそのまま下段にたまるので、簡単に尿を取る事ができるというメリットもあります。

猫砂の種類

猫砂には、以下のような種類があります。
猫によって好みがあるので、猫の好みに合わせて使うようにしましょう。

紙砂

紙製の砂は、持ち運びが便利で重量も軽いので便利です。
トイレに流せるものが多いので、排泄物の処理も簡単です。猫が動くと紙粉が四方八方に飛び散る可能性があります。

鉱物(ベントナイト、ゼオライトなど)

砂の粒子が細かいと、猫は喜んで使いますが、肉球の間に砂が入り込むのを嫌がる猫もいます。オシッコはすぐに固まるので、排泄を終えたら簡単に処分することができます。ただし、重量の関係で持ち運びが難しいのが難点です。
システムトイレ用の砂は粒が大きく崩れにくいのが特徴です。消臭効果に優れていますが、下に尿が落ちる構造のため、吸収性はなく固まりません。

シリカゲル

消臭効果に優れ、粒子が非常に小さいため、猫に好まれています。オシッコを染み込ませても、そのままの状態では固まらず、乾きにくいのが特徴です。

ヒノキ

ヒノキのアロマは糞便の臭いをマスキングしてくれるので、使用後は飼い主も安心ですが、ヒノキの香りが苦手な猫もいます。逆に、ヒノキの香りが好きなネコちゃんもいます。

おから

猫砂を食べてしまう猫ちゃんでも、おからなら大丈夫。トイレに捨てられ、種類も豊富です。猫が前足でおからをひっかくと、おからが周囲に飛び散る可能性があります。